職業訓練でのわたしの席は後ろの方だったので、他の訓練生の授業中の姿がよく見えました。
そこで日々強く感じていたのが、ノートを書く時間がムダだということです。
訓練では、合計8科目の授業がありました。しかしわたしは、授業を受けるときも問題集で勉強するときも、ノートをいっさい使っていません。
今回は、ノートを取らないことのメリットとその方法についてお話します。
授業を受けるときの2つの鉄則
わたしのやっていた方法は、いたってシンプルです。
✔鉄則① テキストに直接書き込む
✔鉄則② 練習問題はコピー用紙に解く
なぜ、これだけで勉強の効率がグッと上がるのでしょうか?その理由も合わせて具体的にみていきましょう。
鉄則① テキストに直接書き込む

ノートを取らないからといって、何もせず授業を聞いているわけではありません。
ポイントとなる箇所にはマーカーで線を引き、板書や先生の話はテキストに書き込みます。ここで大事なのは、あくまでテキストに載っていない補足事項だけを書き足すことです。
実は先生が黒板に書くことは、8割がテキストと重複する内容です。もちろん先生にもよりますが、テキストに沿って説明していく授業スタイルでは、ほとんどの内容が重複します。
だからテキストに載っていない残り2割のうちで、大事だと思ったことや、先生の話で重要と感じたことをテキストに書き足せば良いのです。
テキストに直接書き込むだけで、次のようなメリットがあります。
メリット① 先生の話を100%聞ける
黒板の内容をノートに書き写している間に、先生の話を聞き逃してしまった経験はありませんか?
テキストに書き込む方法であれば、板書の内容の2割を書くだけなので、時間に余裕ができます。その結果、先生の説明をしっかり聞くことができるのです。テキストを見て先生の話をちゃんと聞くだけで、授業の理解度は格段に上がります。
ちょうどわたしの前の席に、何色ものペンを使い分けてノートを書いている人がいました。チラッと見えるそのノートはとてもキレイでしたが、その分書くのにすごく時間がかかっていました。
先生の話はあまり聞いていない様子で、いつも1テンポ遅れてノートを書いていました。いくらきれいなノートを書いても、理解が伴わなくては意味がありません。
メリット② 情報源を一本化できる
復習をするとき、テキストとノートの両方を開いて該当箇所を探していると手間がかかりますよね。
しかも、情報がテキストとノートにバラバラに書いてあったら、大事なことを見落としてしまうかもしれません。
テキストに直接書き込んでいれば、大事な内容は1箇所にすべて詰まっています。目次や索引もあるので、探すのも簡単で効率良く勉強することができます。
メリット③ 授業中に問題集ができる
生徒が板書を書き写している間、先生は先へ進まずノートを書き終えるのを待っていることがあります。
わたしはこの時間に問題集をやっていました。
ノートを取らないとよく分かるのですが、このスキマ時間が意外と多いのです。ちょっとした時間ですが、積み重ねればとても大きくなります。
さらに習ってすぐに復習することで、より理解を深めることができます。
✔鉄則② 練習問題はコピー用紙に解く

授業中に練習問題を解くときもありますよね。そんなときは、ノートではなくコピー用紙を使います。
無地のものを使う
紙はA4サイズの裏表が白紙のものがベストです。なぜなら罫線があると、線に合わせて丁寧に書こうという意識が少なからず働いてしまうからです。
また、試験の本番で下書き用紙や問題文の余白に罫線はありませんよね。本番と同じ状況で練習しておくことも大切です。
コピー用紙であれば罫線がないので、自由に書くことができます。無地のものなら何でもいいので、裏紙やチラシの裏でも構いません。
使い終わったら捨てられる
ノートだと書いた内容が残ってしまうので、これもキレイに書こうとする原因となります。とくにノートの書き出しのページほど、丁寧に書こうと意識が働く人は多いと思います。
コピー用紙の利点は、使い終わったら捨てられることです。捨てることが前提であれば、キレイに書く必要もありません。
時間短縮ができる
キレイに丁寧に書くということは、それだけ文字を書くこと自体に時間を使っているということです。
問題を解くときは、自分が読めさえすればいいのです。だから汚い字でも略字でも構いません。罫線にもとらわれず、速く書くことで時間の短縮につながります。
時間はつくるもの
なぜここまでノートを取らないことにこだわるのかというと、資格試験は短期決戦だからです。何年もかけて勉強する受験勉強とは違い、多くの資格試験では1ヶ月~数ヶ月で勝負を決めます。
もちろん内容を理解したり、知識を得ることも大切ですが、資格試験は合格しないと意味を成しません。だから合格までの最短ルートを選択する必要があります。ちょっとした時間の積み重ねが、後々大きく響いてくるのです。
キレイなノート作りが目的ではない
とくに字のキレイな女性に多いのですが、キレイなノートに仕上げるために、レイアウトや色使いにすごく凝ってしまうことがあります。
職業訓練の目的は、キレイなノートを作ることではありません。ノート作りに一生懸命になりすぎすあまり、授業の理解が不十分になっては本末転倒です。
テキストには勝てない
いくらノートをキレイに書いたところで、テキストを上回るものは作れません。
市販のテキストは、内容をしっかり吟味して作られています。しかもカラーでキャラクターや図解を交え、とても分かりやすく書かれた本も多いです。
それならテキストに書き足す形で、自分にとっての完璧なテキストを作っていく方が簡単で効率が良いです。
まとめ
平等に与えられた時間の中で、いかに時間を作るかはとても大事なことです。
とくに家庭との両立をしていると、家ではなかなか時間が取れない人もいるでしょう。だから、いかに効率良く授業を受け、訓練の時間を濃い内容にできるかがカギになります。
周りを見てもわたし以外の人は100%ノートを取っていました。ノートを取ることが当たり前で、どこか義務であるかのように感じている人も少なくないでしょう。これを機に、何のためにノートを取るのか一度見直してみてはいかがでしょうか。
コメント
ノートを取ると頭の中を整理できてアウトプットできますよ。確かに目的と手段が逆にならなければノートも悪くない