資格の勉強法には、独学、通信教育(通信講座)、専門学校の社会人向けコースなど、さまざまな方法があります。
それらと比較して、職業訓練のメリット・デメリットは何でしょうか?
わたしが受験した日商簿記を例に、それぞれの勉強法について比較しました。資格取得や転職をお考えの方は参考にしてみてください。
独学の特徴
簿記2級・3級は独学でも合格できる資格です。独学であれば、自分の生活スタイルに合わせて勉強することが可能です。
費用は数千円
分かりやすい参考書もたくさんあるので、本屋さんで簡単にそろえることができます。費用は参考書や問題集を合わせても数千円です。
モチベーションの維持が難しい
何か勉強しようと参考書を買ったのに、途中でやめてしまった経験はありませんか? わたしには何度かあります。
独学だとモチベーションを保つことが難しく、一度つまずいてしまうと、自力で立ち直るのは難しいかもしれません。
通信教育(通信講座)の特徴
テキストは実際の試験を研究して作られていますし、添削指導もあるのでひとりで勉強するには心強いです。
費用は数万円
かつて独学の延長くらいのつもりで、通信教育の大手に資料請求したことがあります。費用は数万円で、当時のわたしにとって完全に予算オーバーでした。
およそ1年の長期戦
期間は3級で3ヶ月、2級で6ヶ月かかります。試験のタイミングも考えると、約1年の長期戦になります。働きながら1年間、モチベーションを維持するのは簡単なことではありません。
専門学校(社会人向けコース)の特徴
プロの講師にイチから丁寧に教えてもらえるので、まったくの初心者でも安心して始められます。分からないところは先生に質問することもできます。
費用は数万円~10万円
これもCMでよく見る大手の専門学校をはじめ、多くの専門学校がありますね。費用は数万円~10万円くらいです。
仕事との両立が大変
職場や自宅の近くに学校がないこともありますし、仕事をしながら学校に通うことは難しいかもしれません。時間もお金も許すのであれば、もっとも確実な方法です。
では、これらの勉強法の特徴を踏まえて、職業訓練と比較してみましょう。
職業訓練の5つの利点

利点① 授業料は無料
職業訓練の最大のメリットは、タダで授業が受けられることです。テキスト代は自己負担ですが、授業料は無料であり、さらに手当が支給されます。
講師の中には大手の専門学校で教えている先生もいるので、無料でプロの講師の授業が受けられるのはお得ですね。
利点② 基礎からしっかり教えてもらえる
職業訓練では、その分野に精通した講師たちに基礎から教わることができます。
独学では基礎の理解が弱いと、それ以降の勉強が難しくなってしまうことがありますが、訓練ではしっかり学ぶことができます。
利点③ 生徒の反応を見ながら授業
授業は対面式でおこなわれ、少人数のクラスのため、講師には生徒一人ひとりの顔が見えています。
生徒がうなずたり、反対に分からない顔をしているのも見逃しません。もし理解できていないとそこで立ち止まり、しっかり説明をしてくれます。
また、少人数でアットホームな雰囲気なので、質問がしやすいのも特徴です。ちょっとでも疑問があれば、その場で質問して解決することができます。
利点④ 仕事を見据えて幅広く学べる
専門学校ではその資格に特化して授業がおこなわれますが、職業訓練では1つの科目だけを教わるのではありません。仕事で活かすことを前提に、関連分野を幅広く学ぶことができます。
例えばわたしの受講した訓練では、パソコンなどの授業も合わせ、全部で8科目もの授業がありました。
利点⑤ 仲間・ライバルの存在
職業訓練のクラスメイトは、近い目標を持って集まった仲間です。
クラスメイトの頑張っている姿をみると、「自分も頑張らなきゃ」「負けていられない」などと思わされ、ときにはライバルのような存在にもなります。
クラスメイトの存在は、訓練生活を送る上でとても良い刺激になりました。
職業訓練の3つの欠点

欠点① 失業中しか受けられない
在職中の方を対象とした訓練もありますが、数ヶ月にわたる職業訓練は失業中でないと受けることはできません。
さらに、自分の受講したい訓練が、タイミング良く開校していない可能性もあります。
欠点② 自分のペースでできない
他の訓練生と一斉に授業をおこなうので、授業のペースが自分と合わないことがあります。
訓練では、3ヶ月の短期間にカリキュラムがぎっしり詰め込まれているので、授業のスピードが速いと感じる人は多くいます。このため、人によっては予習や復習にかなり時間を割かないと着いて行けない場合もあります。
欠点③ 捨て科目があるかもしれない
関連分野を幅広く学べることの裏返しになりますが、何科目も授業がある中で、自分に必要ない科目があるかもしれません。
就職に関係ない科目があったり、レベルが合わないケースもあります。
例えばわたしの受けていた訓練では、Word・Excel・PowerPointを学ぶパソコンの授業がありました。しかし、日ごろ仕事でパソコンを使っていたわたしには授業を受ける意味はあまりなく、時間がもったいないと感じることがありました。
しかし出席率が8割を切ってしまうと、訓練が打ち切りになってしまいます。また、授業の最後にある修了試験にパスしなくてはいけません。このため、その授業だけ訓練を休むこともできませんでした。
まとめ
職業訓練は、独学・通信教育・専門学校それぞれの利点を合わせたような方法といえます。個人的には、これらの方法よりも多くのことを学べるため、それ以上だと考えます。
しかし、失業中であることが大前提であるため、誰もが受講できるわけではありません。
現在、失業中の方や今後、転職を考えている方は、職業訓練を選択肢の1つに加えてみてはいかがでしょうか。
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